当院におけるがん診療について
仙台市立病院における診療の柱として「がん診療」があり、多くの患者さんが診療に訪れます。平成23年には延べ9,523人のがんの患者さんが当院の外来を受診され、1,706人の方が入院治療を受けられました。手術は539人の方が受けられました。主なものは大腸がんが100例、乳がんが78例、甲状腺がんが88例、胃がんが96例などです(手術には内視鏡手術も含まれます)。
当院は放射線治療装置を設置しており、手術や化学療法に放射線治療を組み合わせた治療(集学的治療)を行うことができます。放射線治療は304人の患者さんが受けられました。また、当院の化学療法室では注射や点滴による外来化学療法も行われており、平成23年は734人の患者さんが治療を受けられています。
当院の診療科別で扱っている主ながん治療は次のとおりです。
内 科 | 悪性リンパ腫、白血病などの血液疾患、肺 |
---|---|
消 化 器 内 科 | 大腸、胃、食道、肝臓、脾臓、胆道系など |
外 科 | 胃、大腸、食道、膵臓、肝臓、乳房、甲状腺など |
婦 人 科 | 子宮、卵巣など |
泌 尿 器 科 | 膀胱、前立腺、腎など |
脳 神 経 外 科 | 脳腫瘍 |
耳鼻いんこう科 | 喉頭、咽頭など |
小 児 科 | 小児白血病を中心とした血液疾患 |
治療方針の決定にあたっては、各疾患の診療ガイドラインや取り扱い規約を基本として、患者さん各々に最適な治療方針を検討して提案しています。治療方針の決定に際しては、患者さんへの充分な説明のもとでのインフォームド・コンセントを実施しています。さらにセカンドオピニオンを希望された患者さんには他の医療機関への紹介も積極的に行っています。また、病理診断については、治療上より詳細な説明が必要な場合に、患者さんの同意を得たうえで病理医が説明を行う病理診断外来を開設いたしました。
緩和ケアチームについて
がん治療の大きな柱のひとつに緩和ケアがあります。当院でも急性期治療における緩和ケアに対応するために、麻酔科ペインクリニックの医師を中心に、看護師、薬剤師、臨床心理士、医療ソーシャルワーカーなどを加えた緩和ケアチームを編成して、患者さんのニーズにお応えしています。また当院では、院内外の患者さんやご家族、医療機関からの相談等に対応することを目的として「がん相談支援センター」を設置しております。
地域の医療との連携
がん患者さんの療養にあたっては、地域の医療機関との連携が重要であり、当院の登録医を中心に積極的な連携を図っております。緩和医療で連携可能な医療機関は次のとおりです。
緩和医療で連携可能な医療機関一覧(登録順)
- 会川クリニック内科呼吸器科
- 桜ヶ丘クリニック
- 東西クリニック仙台
- 国見ヶ丘中央クリニック
- 星内科小児科医院
- 宮田医院
- みうら医院
- 仙台今村クリニック
- ユキクリニック
- ないとうクリニック
- たんぽぽクリニック
- 高橋内科クリニック
- 福田内科クリニック
- 南中山内科クリニック
- 根白石診療所
- 大澤内科医院
- 岡部医院
- 松村クリニック
- ウィメンズクリニック金上
- 海上内科医院
- いとうクリニック
がん診療における臨床研究成果
1. | 甲状腺癌の治療 【PDF155KB】 |
高屋 潔 | |
2. | 骨髄壊死にて発症した急性骨髄性白血病(M0)の1例【PDF457KB】 |
大竹 正俊 他 | |
3. | 頭蓋内顆粒球肉腫による左下肢脱力で発症した急性骨髄性白血病(M2)の1例【PDF410KB】 |
早坂 薫 他 | |
4. | 5年後に残肝再発をみた悪性ラ氏島腫瘍の1例(B型慢性肝炎合併)【PDF1.0MB】 |
住吉 剛忠 他 | |
5. | 過去12年間における当院の乳腺invasive micropapillary carcinomaの臨床病理学的検討【PDF1.2MB】 |
長沼 廣 他 | |
6. | Etoposideによる二次性白血病をきたしたEBウイルス関連血球貪食症候群の1例【PDF453KB】 |
鈴木 力生 他 | |
7. | 甲状腺腫瘍におけるMUC1糖蛋白の発現に関する検討【PDF855KB】 |
長沼 廣 他 | |
8. | 乳癌におけるホルモンリセプターと脈管系マーカーの免疫二重染色の検討【PDF1.1MB】 |
長沼 廣 他 | |
9. | 小腸間膜より発生し、神経系への分化を示した悪性胃腸管外間質腫瘍の1例【PDF1.1MB】 |
長沼 廣 他 |