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第3回 生理検査

 生理検査は血液や尿などの検体を使う検査とは異なり、検査機器を用い直接医師や技師が接して行う検査です。

 現在行われている生理検査には、心電図検査、脳波検査、超音波検査、肺機能検査、筋電図検査、平衡機能検査、MRI検査等々沢山の検査がありますが、病院によって検査室だけでなく色々な診療科や病棟、放射線室などで行われています。

 では、現在中央臨床検査科で行われている主な検査について紹介しましょう。

心電図検査

 手と足に大きなクリップを挟み、胸に吸盤電極をつけて行います。不整脈や心筋虚血や心肥大などを見る検査で、動悸や息切れ、胸が苦しい、めまいといった症状がある時に検査します。また手術や色々な治療を行う前にも検査を実施することがあります。心電図検査は、心臓の筋肉の電気活動を記録するだけで、痛みはありません。

運動負荷心電図検査

 トレッドミル検査と2段階試験を行っています。動くベルトに負けないように歩いてもらう検査と、小さな階段を上ったり下りたりしてもらう検査です。運動することにより心臓に負担をかけたり交感神経を緊張させることにより、狭心症などによる波形変化や不整脈の発生や増減を観察します。トレッドミル検査は循環器の医師がついて行います。

ホルター心電図検査

 24時間の心電図記録を行います。胸に電極をつけ、腰に小さな記録器をつけて一日通常の生活の中の心電図変化を調べます。心電図はICカードの中に記録され翌日に解析を行なうもので、病棟などでつけるモニター心電図とは異なります。動悸や胸痛など、症状時の心電図変化を調べたり、不整脈や狭心症の評価、朝方など就寝中に多い発作をとらえる目的で行います。残念なことにお風呂には入れません。また、一日の行動の記録を書いていただきます。

脈波伝播速度検査(PWV)、足関節上腕血圧比(ABI)

 脳波伝播速度(PWV)は動脈硬化の程度を、足関節上腕血圧比(ABI)は下肢の血管内に閉塞部分や強い狭窄があるかないかの指標となる検査です。両手両足の血圧を利用することによって検査できます。

超音波検査

  対象となる臓器に超音波をあてて画面に映し出し、大きさや形、その他の異常がないかを観察します。

心臓(体表面)

心臓の動きの評価、各部分の大きさや厚み、弁の動きや逆流、血栓の有無など

心臓(経食道)  ※医師が検査します

弁膜症、血栓の有無など体表面から観察しづらいところを検査します

腹部

各臓器の大きさや形、腫瘍などの病変部位の有無

頸動脈

動脈硬化の程度、閉塞部分や狭窄部分の有無

脳波検査

 頭皮に電極をつけて脳の電気活動を測定する検査です。頭痛、けいれん、意識障害などの症状がある時に検査をします。CTやMRIと違って脳の機能を調べるもので、一度の検査で診断できるとは限りません。起きているところと寝ているところでも脳波は違い、睡眠時脳波はとても大切です。検査を受ける時には、睡眠を少なめにしてくる、ご飯もきちんと食べてくるなど注意事項がありますので、ご協力ください。

肺機能検査

 マウスピースと呼ばれる筒を口でくわえて呼吸して、肺活量などを測定するものです。咳が止まらない時喘息や息切れ等がある時に検査をします。また、手術で全身麻酔をかける時などにも検査します。この検査は患者さんの努力と協力が必要です。説明をよく聞いて頑張りましょう。


この他にも行っている検査があります。また、直接検査科に検査の申し込みはできません。

検査は医師の指示に基づいて行われます。気になる症状がある時は、まず診察を受けましょう。