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第7回 血液のはなし

 人間の体内を流れる血液は、体重の約1/13の量を占めており(成人では4~5リットル)、人間が生きていくうえで大変重要な役割を担っています。血液は液体成分である「血漿」と細胞成分である「血球」から成り、「血球」はさらに「赤血球」「白血球」「血小板」に分けられます。

 血液をスライドガラスに薄く延ばして顕微鏡で見ると、細胞成分である「赤血球」「白血球」「血小板」を観察することができます。今回は、血液中の細胞の形態やその役割を簡単にご紹介します。

赤血球と血小板

 

 

  赤血球

赤血球はヘモグロビンと呼ばれる赤い色素を含んだ、直径7~8μm(1μmは1/1000mm)の細胞です。主な働きは、ヘモグロビンが肺で酸素と結合し、全身に酸素を送ることです。 赤血球は、扁平な円盤状で中央がくぼんでおり、ドーナツのような形をしています。この形は、赤血球の表面積を増やして効率よく酸素と結合でき、毛細血管などの狭いところを流れるときに、変形して通過しやすいという利点があります。

  血小板

血小板は凸レンズ状の円盤形をした、直径2~3μmの小さな細胞です。血管が損傷すると、その部分へ粘着・凝集し、止血する働きを持ちます。

白血球

 白血球とは、一種類の細胞ではなく、さまざまな働きを持ったいくつかの種類の細胞を総称したものです。代表的なものが次に挙げる「好中球」と「リンパ球」です。

 

  好中球

直径10~15μmの細胞で、成人では白血球の6~7割をこの好中球が占めます。                                              細胞の核(写真の紫色に見える部分)が2~4個にくびれているのが特徴です。体内に侵入した細菌などの異物を処理する働きがあります。 

 
 

  リンパ球

直径6~12μmの細胞で、小児期には白血球のうちの半分ほどがこのリンパ球ですが、成人になるとその割合は少なくなります。                 リンパ球はさらにT細胞・B細胞・NK細胞の3種類に分けられますが、見た目だけで明確に分類することはできません。免疫反応をつかさどり、ウイルス感染などから生体を守っています。 

 

そのほか、数はあまり多くありませんが、以下のような細胞も見ることができます。

「単球」は体内に侵入した異物の処理、「好酸球」や「好塩基球」はアレルギー反応に関与しています。  

   


さまざまな病気によって、血液中の細胞の数や形態が変化したり、白血球のそれぞれの細胞の割合が変化することがあります。このような変化をとらえるために、血液中の細胞を顕微鏡で観察する検査を血液像検査といいます。