院長からのごあいさつ

仙台市立病院院長
渡辺 徹雄
仙台市立病院は、高度先進医療や救急医療、身体合併症を伴う精神科医療、周産期医療など、地域にとって不可欠な政策的医療を提供する病院として、市民の皆さまの生命と健康を守る役割を担って参りました。26の診療科と多職種が連携し、チーム医療によって、患者さん一人ひとりに寄り添った、信頼される医療の提供に日々努めております。
救命救急センターでは、二次・三次救急を主な対象として24時間365日体制で診療を行っており、県内でもトップクラスの救急搬送患者を受け入れています。重篤な病態や高度医療を必要とする患者さんに対し、病院の総合力を発揮し、最善の医療とケアを提供しております。
当院は急性期医療を担う中核病院であると同時に、「地域医療支援病院」としての役割も果たしております。市民の皆さまには、日常の健康管理を担う身近な「かかりつけ医」をお持ちいただき、病状に応じ専門的な検査や治療が必要になった際に、当院へ紹介の上、専門的医療を受けていただくことを推進しております。地域の医療機関と連携し、紹介患者さんの受け入れをはじめ、地域全体で市民の健康を支える体制づくりに力を注いでいます。
現代の医療では、患者さんご自身が自らの人生や治療について考え、選択していくことが基本となっています。患者さんの立場を尊重し、患者さんに客観的な情報を提供したうえで、ご自身が納得して治療方針を選択できるよう努めております。こうした患者さん中心の質の高い医療を実現していくために、ぜひ積極的に診療にご参加ください。不明な点や診療上の要望があれば、どうぞ遠慮なくスタッフにお声がけください。また当院ではいわゆる人生会議、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)などを通じて、患者さんとご家族が納得のいく意思決定ができるよう支援しております。ご自身が受けられる医療やケアについて、普段からご家族と話し合っていただくことをお勧めいたします。
一方で、すべての医療には不確実性が伴い、いかに注意を尽くしても、時として予期せぬ結果が生じることがあります。当院では医療安全に最大限の注意を払っておりますが、こうした医療の特性についてご理解いただき、信頼関係をもとに医療を共に築いていくことが何より大切だと考えております。また、安心・安全な医療環境を守るため、暴言や暴力、不当な要求など、いわゆるカスタマーハラスメントに対しては、病院として毅然とした姿勢で対応してまいります。市民の皆さまには、この点についてもご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
仙台市立病院では、今後も新しい医療技術の導入などを積極的に進めながら、地域の皆さまから信頼される中核病院として、高度急性期医療の質の向上に取り組んでまいります。
これからも、市民の皆さまに選ばれ、安心して受診していただける病院であり続けられるよう、職員一同、たゆまぬ努力を重ねてまいりますので、よろしくお願い申し上げます。