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新しい市立病院のあり方に関する検討委員会報告書

平成17年10月に設置された、外部有識者による“新しい市立病院のあり方に関する検討委員会”では6回にわたり新市立病院の役割・機能について議論を重ねてきましたが、この度報告書が完成し、当院事業管理者に提出されましたのでお知らせします。

平成19年1月18日

新しい市立病院のあり方に関する検討委員会報告書の概要

1 新病院の基本運営方針
(1) 患者中心の医療と開かれた病院

 市民のための病院として、市民の生命と健康を守る役割を担い、市民が安心して納得のいく医療、患者中心の医療、安全な医療を提供していくことが必要である。
 医療の提供にあたっては、患者の生活の質(QOL)の向上を重視し、市民が利用しやすい、市民に開かれた病院であることに最大限配慮されなければならない。

(2) 情報提供と相談機能

 生活習慣病などの疾病予防と健康増進の役割を果たすため、医療情報の提供や総合的な相談窓口の設置に積極的に取り組む必要がある。

(3) 医療連携と救急医療

 医療制度改革では、各医療機関は自らの機能と役割を明確にし、他の医療機関と分担・連携しつつ、地域全体で患者に適切な医療を提供することが求められている。新病院においては、急性期を中心とした医療を提供するとともに、生活習慣病などにも重点的に取り組む必要がある。
 また、引き続き救命救急医療の提供を優先させる必要がある。

(4) 人材育成と環境整備

 病院運営においては、医療従事者の満足度の向上と人材の育成を果たす必要がある。
 地域の医療水準の向上等のため、幅広く研修者を受け入れ、地域医療を担う人材の育成に今後も努めるべきである。
 働きやすい、やりがいのある職場環境を整えるなど、働く人が魅力を感じる病院を目指すことが必要である。

(5) 持続的な健全経営

 質の高い医療を提供するには高度な医療機器・設備を充実させることが必要であり、そのためには、経営を健全化し、経営の安定性を確立することが必要である。

2 救急医療を中心とした医療の積極的展開
(1) 救急医療

 仙台医療圏の3次救急を中心とした役割を担うとともに、初期及び3次救急についても一定程度の役割を果たす必要がある。新病院では、様々な救急患者を対象とし、トリアージを行う救急センターとしての役割を担うことが望ましい。
 24時間365日小児科医を配置し、小児科の初期から3次救急までに対応するとともに、母体に合併症がある場合やハイリスク分娩に対応してきており、引き続き小児救急医療と周産期医療を積極的に提供する必要がある。
 新病院では、宮城県の精神科救急システムや他の病院との機能分担を踏まえ、身体的な疾患を合併した精神科救急患者を中心に、一定程度の精神科救急医療の機能を担う必要がある。

(2) 災害医療、感染症医療

 市民の安全、安心のため、災害拠点病院としての役割を担う必要がある。
 大規模災害時、災害発生直後から迅速に多くの重篤な救急患者の治療を行えるよう、建物・設備の耐震化やライフラインの確保、ヘリポートの設置などが必要である。
 再興感染症とともに新興感染症の対策が課題となっており、第2種感染症指定医療機関としての役割を担うことが必要である。

3 特色ある医療への取組み

 救命救急医療を支える基盤となる高度医療の充実を図るとともに、患者の増加が見込まれる生活習慣病への対応に重点的に取り組む必要がある。
 新病院では、市民が受診しやすく、良質で安全な医療を受けられる体制を整えなければならない。平均在院日数の短縮化に対応した手厚い医療サービスと療養環境の整備が求められる。また、日帰り手術や外来化学療法などの外来専門機能を強化すべきである。

 地域で完結する医療提供体制の構築により、より良い医療の提供が可能となるため、病院間の連携、病院と診療所の連携機能を強化するべきである。
 患者の症状に応じた最適な医療を提供するため、診療科や職種の壁を越えて連携し、高度な医療を総合的に提供することも重要である。

 なお、認知症疾患センターについては、市立病院で担うべき必然性は薄れつつあるとも考えられるため、そのあり方について慎重に検討し、早期に結論を出す必要がある。

4 新病院の整備にあたり配慮すべき事項

 ユニバーサルデザインを採用するとともに、プライバシーが守られ、患者が療養に専念できる癒し・安らぎの空間を確保しなければならない。病棟においては、患者が過ごしやすい環境づくりや家族等と憩える場所を充実させる必要がある。
 散策も可能な十分な広さの緑地の確保や待ち時間を短縮するための工夫が求められる。

 優秀な医療従事者を確保するため、院内保育所の設置など、働く人が満足できる職場環境を整備する必要がある。
 電子カルテや地域医療連携のためのネットワークシステム等の導入に取り組む必要がある。