頭部外傷
一口に頭部外傷といっても、転んでちょっと頭をぶつけたものから大事故で意識がなかったり体中に大怪我をしたりしているものまでさまざまです。私たちの病院は救命救急センターが併設されていることやさまざまな科の専門医が仕事に従事しているため重症の頭部外傷の方を最優先に診療を行っております。脳圧計の使用や低体温治療といった最先端の治療を行うことができます。
頭部外傷の緊急性について
a.意識障害がある場合
意識障害がある場合には頭蓋内に大きな脳挫傷や血腫などの脳を圧迫するものが生じている可能性があり緊急手術を行わないと救命できないことがあります。一刻も早く治療を開始する必要があります。
中には手術室まで行く時間もなく救命救急センター外来で穿頭術を行う場合もあるほどです。
b.意識障害はないが手足に麻痺やしびれがある場合
緊急性は意識障害がある場合よりも高くはないですが脳内にある程度の大きさを持った脳挫傷や血腫が生じているか頚髄の損傷があることが考えられます比較的早急に愛護的に搬送される必要があります。
c.意識障害も手足の麻痺、しびれもない場合
緊急性はあまり高くありませんが脳内にまったく何もないとは限りません。当施設では、重症の患者さんを最優先としておりますので緊急性の優先順位から考えて早急に対応できないことも考えられます。市内の他の脳神経外科の病院に回っていただくこともあります。
忘れたころに生じてくる慢性硬膜下血腫
高齢者やお酒をよく飲まれる方は頭を軽くぶつけてそのときはなんともなくても数週間して手足の麻痺が徐々に進行したり、失禁をしたり、ボケたような症状が見られてくることがあります。 このとき慢性硬膜下血腫ができている可能性があります。
この病気は局所麻酔で頭に小さな穴を開け血腫を排出してあげるだけで治ることがほとんどです。なるべく早く外来を受診されることをお勧めします。