くも膜下出血や頭部外傷後の高次脳機能障害に対する取り組み
入院での治療を終えて一見何の後遺症も残さずに自宅退院された患者さんの中には、家に帰ってから何気ないことができなくなっていることに気付くことがあります。
たとえば、買い物に行っても何を買うのか忘れてしまったり、お金の持分を考えずに物を買ったり、お釣りの計算ができなかったり、以前よりも感情の起伏が激しかったり、物事をうまく順序だてて行うことができなかったりなどです
このような障害を高次脳機能障害と呼んでいます。これらの患者さんは手足の麻痺や言語の障害がないため今まであまり障害と認識されていませんでした。ところがこのような障害があると学校や元の仕事への復帰が極めて困難となり結局退学、退職せざるを得なくなり、また補償も受けられないという深刻な事態となってしまいます。
私たちの科では、高次脳機能障害者を支援する会と密接な連携をとりその施設である、れいんぼう倶楽部、いずみアウトドアリハビリテーション倶楽部、グループホームいずみ、南光台雲母倶楽部などに患者さん本人やご家族の置かれている状況を把握していただき問題を解決していく支援を行っています。